第29回読売演劇大賞贈賞式の一生さんのスピーチ「恋せぬふたり」第7回

2022年03月01日

「恋せぬふたり」第6回



カズくんの騒動も咲子と羽にとっては
思いがけず有意義な出来事だったように想います。

その後のふたりの同居生活は凪のように穏やかです。
羽の大晦日の過ごし方にも優しい変化がありました。

咲子の実家の習慣を一部取り入れ咲子を尊重しつつ
自分の時間の過ごし方は譲らずバランスをとりながら
和やかに過ごします。

このまま同居生活が永く続くとしたら
大晦日の過ごし方はずっとこのパターンになるのかしら?

しかし年明けは凪からいきなり時化(しけ)となります。

カズと身重の咲子の妹と姪っ子が正月早々家に飛び込んできました。
カズはともかく、まさか住所を教えていない妹まで‥

夫の浮気を掴み取った妹は、住所をリサーチしてまで
咲子を頼り、娘連れで羽と同居する家へ駆け込んで来たのです。

「お兄さん」と咲子の妹から呼ばれ辟易する羽です‥

状況を聞く咲子に対して、妹は憤懣やる方なしという様子で
アロマンティック、アセクシャルの特性を引き合いに出し
姉妹という気安さから、咲子に感情をぶつけたのです。

流石にカズが妹をたしなめます。



咲子もまた一旦自分の感情をとどめます。

羽はじっと見守ります。

羽も咲子も同居する時、こんな場面を想像していたでしょうか?


ふたりは夫婦ではないのです。
家族になろうとしている人間同士なんです。
互いを尊重し、距離を保ちながら、特性を認め合い
将来に向けて、今よりも心豊かに過ごせたら‥
という想いで一緒に居る決断をしただけなのです。

しかし他人と暮らすということは
関係はどうであれ、今回のようにお互いが繋がっている人々と
多かれ少なかれ繋がる事があるということなんですよね‥

そして‥‥すったもんだのあげく
妹の出産という、生身の男と女が作り上げた核のような現場に
ふたりは行きがかり上立ち会う事になります。

なんだか、羽が想う同居生活の指針から
流れが少しずれているような気がしますが‥

大丈夫なのかな?

いずれにしても、咲子も羽も自分達で作り上げている
環境の中で、経験した事のない状況に出くわしながらも
だんだんと柔軟になっていく様子は窺えます。

自分の性的指向を受け入れる事ができるようになっている
ふたりではありますが、まだまだ未知な部分もありそうです。

自分を大事にいい方向へ進めたらいいなぁ‥









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