僕らは奇跡でできている
2022年12月03日
6秒間の軌跡~花火師・望月星太郎の憂鬱!やっと来た!
\㊗️解禁祭り/
— 【公式】高橋一生×橋爪功+本田翼!「6秒間の軌跡~花火師・望月星太郎の憂鬱」2023年1月スタート! (@6secEx) December 1, 2022
早速メインキャストの#高橋一生 さん #橋爪功 さん #本田翼 さんから
コメントが届きました😌
心温まり、時にクスッと笑える
そんなホームドラマになること間違いなし
「#6秒間の軌跡 ~花火師・望月星太郎の憂鬱」
お楽しみに🎆#2023年1月スタート#テレビ朝日 #土曜ナイトドラマ pic.twitter.com/GD796YI4jS
熱く熱く盛り上がったParco劇場で
一生さんの芝居を存分に浴びてから約5か月…
久しぶりに歩いた人口密度の高い渋谷の街は
やっぱり苦手には違いないのだけれど
一生さんが近くに居ると想えばそんなことは屁の河童
ワクワクドキドキしながら分け入る敵を押しのけ
殿の元へ一目散に駆け付ける家臣のような心境で劇場へと向いました。
しかし盛り上がった祭りの後の静けさは
一段と寂しさと物足りなさを増すものです。
年末の「岸辺露伴は動かない」の発表後においても
間を埋めるものがなく禁断症状が出始めていました。
そこへ!1月期ドラマの情報が解禁され
今私はほっと一息ついています。
ああああ!!これで楽しく生きて行くことがでる!!!
テレビ朝日さんの土曜ナイトドラマ 11:30~12:00
「6秒間の軌跡~花火師・望月星太郎の憂鬱」が
2023年1月にスタートします!
脚本はなんと!あの「僕らは奇跡でできている」の橋部敦子さんです。
共演はまだ橋爪功さん、本田翼さんという情報しかありませんが
橋本さんは昨年のNODA MAP第24回公演フェイクスピアで
共演した一生さんと意気投合し、テレ朝のプロデューサーに
一生さんとのドラマ共演をもちかけたそうです。
フェイクスピアの時にもおっしゃっていましたが
橋本さんは以前から一生さんの作品を観ていて
面白い役者だなと興味を持っていたそうです。
ありがたいお話です。
今年は私自身いろいろな事が重なり落ち着きませんでしたが
年末年始はゆっくり楽しめそうです。
一生さんのニッカボッカと半纏姿新鮮です
ワクワクします。
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wxy812 at 12:22|Permalink│Comments(0)
2020年05月10日
パンとスープとネコ日和と、きのう何食べた?と僕キセと‥
緊急事態宣言の期間が31日まで延長されました。
もともと在宅介護自体が自粛生活のようなものです。
父亡き後の実家で一人暮らす母と
夫に先立たれた娘である私はある事をきっかけに
9年前から一緒に暮らすようになりました。
当初お互い自由気ままに持ちつ持たれつ
頃合い良く楽しく生活していました。
しかし何れ来る道だったのでしょう
昨年の入院がきっかけで母は歩行が思うようにいかなくなりました。
現在はリハビリの甲斐もあり少しづつ杖をついて
何とか歩けてはいますが筋力が頗る落ちているので
家の中を伝いながら歩く事はできても
外の一人歩きは到底無理な状態です。
今回の新型コロナウイルスの感染拡大に伴う自粛は
私と母の生活にはさしたる変化を齎すこともないと思っていましたが
私の外への動きが縮小されることと
在宅介護なので外部からの訪問回数が減ることにより
思った以上の空き時間が生まれました。
仕方がないので老母と共に観るわ観るわ
録画済みのドラマ、Amazonプライム・ビデオ等をがんがんいきました。
沢山観たドラマや映画の中で
「僕らは奇跡でできている」は母が特に夢中で観たドラマです。
その次にお気に入りだったのが「パンとスープとネコ日和」と
「きのう何食べた?」ですねえ‥
母は気に入った映画やドラマを観る時、姿勢が前のめりになります。
しかも眠らないのでわかります。
観始めて10分で眠るか観続けるかが線引きです。
母は現在89歳ですが最近はTVを自身で選んで観ることがなく
喜怒哀楽も乏しく覇気も無くなっています。
その母が「僕らは奇跡でできている」を観て
自分の子供の特質を認めず価値観を押し付ける親に対して
主人公の一輝(高橋一生)が放つ言葉の数々に
とてつもなく反応して涙を流していました。
その人の凄いところを百個言うという場面では
「ほーっ!」と声まで発して感情を表に出していました。
「パンとスープと猫日和」ではロケ地、建物
美味しそうなサンドイッチに一方ならぬ興味を示しました。
もちろん姿勢は前のめりです。
私もこのドラマにすーっと入ってしまいました。
全てのトーンに抵抗感を覚えること無く興味深く誘ってくれます。
主人公の潔い生き方と他人との距離感が心地よくすがすがしく
媚びることのない様子にも好感が持てて溶け込むように観ました。
ロケ地の植物や建物の間を縫う柔らかい風が
そこを歩く人々にも優しく触れながら流れていきます。
そんな何気ない日常の様子を画面を通し俯瞰的視点で見ていると
生きていればそりゃあ色々あるけど‥
今現在の私の生活だって悪くはないかな‥と思えてきます。
主人公がテキパキと作るサンドイッチが美味しそうです。
あれだけボリューミーですとスープがあれば充分過ぎる程です。
「手際がいい!‥美味しそう‥」と
母は久しぶりに感想を口にしました。
「緑が多くて随分と広そうな公園だねえ、いい所を歩いているねぇ」と
母はロケ地の公園にも興味を示していました。
羽根木公園と書いてありました。
以前、高橋一生さん斎藤工さん金子ノブアキさんがゲスト出演した
「ボクらの時代」でお三方が小学生の頃よく遊んでいた公園で
夕方5時になると「変態がホニャララ」と言っていたあの公園ですよ
ボクらの時代 Cフジテレビより
それにしましてもいいドラマに出会えました。
続編があるようなので観てみたいと思います。
小林聡美さん、伽奈さん、もたいまさこさん、光石研さん
塩見三省さん、美波さん、加瀬亮さん、岸恵子さん、市川実和子さん他
キャストも素敵な役者さんばかりです。
原作は群ようこさんの同名小説です。
「きのう何食べた?」に関しての母は
料理をする過程をやけに興味深そうに
顔を突き出し前のめりで観ていました。
私も楽しく観ました。
色々想像しますと切ない部分もあるシロさんとケンジですが
二人がお互いを思いやる姿に愛を感じます。
「きのう何食べた」というタイトルで想像つくと想いますが
二人の生活の中の悲喜こもごものできごとが
充実した食生活とともに穏やかに描かれいて大好きなドラマです。
筧史朗と矢吹賢二はゲイカップルです。
弁護士で倹約家の筧史朗、美容師でロマンチストな矢吹賢二は
2LDKのアパートで同棲中です。
大晦日の夜、仕事を終えた矢吹賢二(内野聖陽)は
仲間との忘年会を終えると
里帰り中で筧史朗(西島秀俊)の居ないアパートへそそくさと帰り
手慣れた様子で一心不乱に野菜や肉を炒め
サッポロ一番みそラーメンをそれは美味しそうに調理し
電話が鳴っても無視し無我夢中で食する様がとっても印象的でした。
このドラマは映画化が決定しているそうです。
この先も暫くは母と映画やドラマを観る時間がたっぷりありそうです。
適度な運動も忘れずにコロナには気をつけて過ごします。
しばらくは離れて暮らす『コ』と『ロ』と『ナ』
つぎ逢ふ時は『君』という字に
大阪府のタナカサダユキさんという方の短歌ですが
私も息子一家にそろそろ逢いたいなぁと思います。
にほんブログ村
もともと在宅介護自体が自粛生活のようなものです。
父亡き後の実家で一人暮らす母と
夫に先立たれた娘である私はある事をきっかけに
9年前から一緒に暮らすようになりました。
当初お互い自由気ままに持ちつ持たれつ
頃合い良く楽しく生活していました。
しかし何れ来る道だったのでしょう
昨年の入院がきっかけで母は歩行が思うようにいかなくなりました。
現在はリハビリの甲斐もあり少しづつ杖をついて
何とか歩けてはいますが筋力が頗る落ちているので
家の中を伝いながら歩く事はできても
外の一人歩きは到底無理な状態です。
今回の新型コロナウイルスの感染拡大に伴う自粛は
私と母の生活にはさしたる変化を齎すこともないと思っていましたが
私の外への動きが縮小されることと
在宅介護なので外部からの訪問回数が減ることにより
思った以上の空き時間が生まれました。
仕方がないので老母と共に観るわ観るわ
録画済みのドラマ、Amazonプライム・ビデオ等をがんがんいきました。
沢山観たドラマや映画の中で
「僕らは奇跡でできている」は母が特に夢中で観たドラマです。
その次にお気に入りだったのが「パンとスープとネコ日和」と
「きのう何食べた?」ですねえ‥
母は気に入った映画やドラマを観る時、姿勢が前のめりになります。
しかも眠らないのでわかります。
観始めて10分で眠るか観続けるかが線引きです。
母は現在89歳ですが最近はTVを自身で選んで観ることがなく
喜怒哀楽も乏しく覇気も無くなっています。
\✨#僕キセ 最終回まであと2時間✨/
— 3/29 BD&DVD発売🐢僕らは奇跡でできている🐢 (@bokura_ktv) December 11, 2018
樫野木(#要潤)からの強烈な一言で最大の窮地に立った一輝(#高橋一生)は、いったいどこへー?
一輝の驚きの決断と、育実(#榮倉奈々)🐰沼袋(#児嶋一哉)🐜新庄(#西畑大吾)🍎たちが、それぞれ導き出す答えとは⁉️#今夜9時#最終回 pic.twitter.com/lFYMe7hDiO
その母が「僕らは奇跡でできている」を観て
自分の子供の特質を認めず価値観を押し付ける親に対して
主人公の一輝(高橋一生)が放つ言葉の数々に
とてつもなく反応して涙を流していました。
その人の凄いところを百個言うという場面では
「ほーっ!」と声まで発して感情を表に出していました。
#パンとスープとねこ日和
— るるる (@family258774) October 21, 2017
もたいさんだいすき pic.twitter.com/4Q19kYu4YU
「パンとスープと猫日和」ではロケ地、建物
美味しそうなサンドイッチに一方ならぬ興味を示しました。
もちろん姿勢は前のめりです。
私もこのドラマにすーっと入ってしまいました。
全てのトーンに抵抗感を覚えること無く興味深く誘ってくれます。
主人公の潔い生き方と他人との距離感が心地よくすがすがしく
媚びることのない様子にも好感が持てて溶け込むように観ました。
ロケ地の植物や建物の間を縫う柔らかい風が
そこを歩く人々にも優しく触れながら流れていきます。
そんな何気ない日常の様子を画面を通し俯瞰的視点で見ていると
生きていればそりゃあ色々あるけど‥
今現在の私の生活だって悪くはないかな‥と思えてきます。
主人公がテキパキと作るサンドイッチが美味しそうです。
あれだけボリューミーですとスープがあれば充分過ぎる程です。
「手際がいい!‥美味しそう‥」と
母は久しぶりに感想を口にしました。
「緑が多くて随分と広そうな公園だねえ、いい所を歩いているねぇ」と
母はロケ地の公園にも興味を示していました。
羽根木公園と書いてありました。
以前、高橋一生さん斎藤工さん金子ノブアキさんがゲスト出演した
「ボクらの時代」でお三方が小学生の頃よく遊んでいた公園で
夕方5時になると「変態がホニャララ」と言っていたあの公園ですよ
ボクらの時代 Cフジテレビより
それにしましてもいいドラマに出会えました。
続編があるようなので観てみたいと思います。
小林聡美さん、伽奈さん、もたいまさこさん、光石研さん
塩見三省さん、美波さん、加瀬亮さん、岸恵子さん、市川実和子さん他
キャストも素敵な役者さんばかりです。
原作は群ようこさんの同名小説です。
#初公開写真 あり! #正月スペシャル は「誰のために時間とお金を使いたいか」をテーマにした3章立て #きのう何食べた @tx_nanitabe #西島秀俊 #内野聖陽 #山本耕史 #磯村勇斗 #ジルベール #テレ東プラス https://t.co/nY285eKxM3
— テレ東プラス (@tvtokyo_plus) December 13, 2019
「きのう何食べた?」に関しての母は
料理をする過程をやけに興味深そうに
顔を突き出し前のめりで観ていました。
私も楽しく観ました。
色々想像しますと切ない部分もあるシロさんとケンジですが
二人がお互いを思いやる姿に愛を感じます。
「きのう何食べた」というタイトルで想像つくと想いますが
二人の生活の中の悲喜こもごものできごとが
充実した食生活とともに穏やかに描かれいて大好きなドラマです。
筧史朗と矢吹賢二はゲイカップルです。
弁護士で倹約家の筧史朗、美容師でロマンチストな矢吹賢二は
2LDKのアパートで同棲中です。
大晦日の夜、仕事を終えた矢吹賢二(内野聖陽)は
仲間との忘年会を終えると
里帰り中で筧史朗(西島秀俊)の居ないアパートへそそくさと帰り
手慣れた様子で一心不乱に野菜や肉を炒め
サッポロ一番みそラーメンをそれは美味しそうに調理し
電話が鳴っても無視し無我夢中で食する様がとっても印象的でした。
このドラマは映画化が決定しているそうです。
この先も暫くは母と映画やドラマを観る時間がたっぷりありそうです。
適度な運動も忘れずにコロナには気をつけて過ごします。
しばらくは離れて暮らす『コ』と『ロ』と『ナ』
つぎ逢ふ時は『君』という字に
大阪府のタナカサダユキさんという方の短歌ですが
私も息子一家にそろそろ逢いたいなぁと思います。
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wxy812 at 16:09|Permalink│Comments(0)
2019年11月30日
「好き」第1話チャーシュー麺‥
昨年の10月期の「僕らは奇跡でできている」から
1月期の「みかづき」、4月期の「東京独身男子」
7月期の「凪のお暇」と続き
高橋一生という俳優を思う存分満喫出来た一年でした。
しかしここへきて一生さんの供給が途絶えてしまいました。
やはりドラマや映画や舞台のいずれかは観続けたい
というのがファン心理なのでございます。
ピエール瀧さんの問題がなければ
映画「ロマンスドール」は今頃すでに
公開されている頃だと思うのです。
でも待つ時間が長いほど感激度は増しますので我慢します。
「ロマンスドール」は来年1月24日公開です
で、ぽっかりと空いたこの時期に
過去作をゆっくりと鑑賞しました。
1958年、1981年、2000年という異なる3つの時代を
田中麗奈さんが演じる2000年制作の
インターネット映画「好き」を久しぶりに観ました。
1話が30分のオムニバス形式の作品で
2001年3月までに500万アクセスを突破したそうです。
その中の1958年の第1話「チャーシュー麺」という作品に
高橋一生さんが出演されています。
ラーメン屋の店員古賀直子に主演の田中麗奈さん
アウトローに生きる青年安藤秋生に高橋一生さん
ラーメン屋の主人に石丸謙二郎さんという役どころです。
福岡の久留米から集団就職で上京し
横浜の裏通りの鄙びたラーメン屋「みなと軒」で働く直子(田中麗奈)は
ある日チンピラに追われている安藤秋生(高橋一生)の
ただならぬ様子を見てかくまうことになります。
チンピラから無事逃れることが出来た秋生でしたが
所持していたピストルを
「みなと軒」のゴミ箱へ誤って置いてきてしまいます。
後日直子はゴミ箱の中からピストルを見つけ
自分のアパートへ持ち帰ります。
秋生に問われた直子はピストルを渡すと
秋生はお礼にとラムネを直子に渡し海辺に誘います。
話しをしているとお互い同郷である事がわかるのです。
この時秋生は19歳直子は17歳です。
二人は昭和30年代、集団就職という形態で
玄海という列車に乗り上京し就職したのです。
秋生は天井で回る3機の扇風機を凝視し
速度の違いに気がつくほどの
留まった精神状態で硬い座席の玄海に乗車していたのす。
15歳の少年達全てが希望に燃え上京していたとは思えません。
開口一番「さびしくないか?」と直子に聞いた
秋生の心の中、胸の内は充分推察できます。
当時大企業に採用された少年はいいのですが
零細企業へ就職した少年などは大変な思いをしたようです。
労働条件が考えられないほど悪く
ゆえに離職率は高かったようです。
右も左もわからない都会にいきなり放り出された
15歳の身の上に起きる栄光と挫折の状況は
あまりにも過酷で切ないです。
当時パーセンテージの高かった非行少年と言われる少年達は
故郷を離れ挫折し離職となり
行き場のない状況下での結果だったのだと思います。
秋生を見ているとそこまで思いがめぐります。
そして‥秋生は直子がゴミ箱から見つけ出したピストルで
組長を狙撃する計画を打ち明けるのです。
その後全てをやり終えた秋生は
閉店間近の「みなと軒」へやってきます。
自首する前に「みなと軒」のラーメンを食べたかったと
秋生は言います。
直子は主人の帰った後の調理場で
ラーメンを作ります。
そして‥‥チャーシューを5枚ラーメンの上へ置きます。
狙撃事件のニュースを見ていた店のお客が19歳の秋生が犯した罪は
5年だと言ったのを思い出したのです。
直子は一枚が一年5枚だから5年と決め
チャーシューを置いたのです。
この作品は昔観た東映のヤクザ映画を
どこか彷彿とさせるものがありました。
舞台は昭和33年の横浜の港近くで営む
裏通りというより路地裏の鄙びたラーメン屋です。
戦後13年位の横浜の事情はまだ不安定だったと思います。
集団就職で田舎から上京したものの
すっかり横道に逸れてしまった秋生ですが
懐かしい故郷の匂いを直子に求め
直子もまたきっかけはどうであれ
同郷の秋生の事が気がかりになるのです。
人を好きになるのに事情や状況は関係ありません。
危うそうな秋生と健気な直子。
二人の心に潜む寂しさという共通の思いが重なりあうことで
お互いの事が胸に宿っていったのでしょう。
田中麗奈さんは全てを表情で演じていたと言っても過言ではなく
まだお若い時期なのに改めてこの方の芝居の凄さを感じました。
高橋一生さんはアウトローで鉄砲玉のような危うさを持つ青年役ですが
土臭さと寂しさとそして怒りを含んだ何とも言えない様子を
やはりその表情で充分に感じる事ができました。
30分という短い作品なのですが
昭和30年代の空間がそこに広がり
少しかび臭く感じる空気が漂よっていて
年代的に郷愁にかられました。
この作品は余韻をもたせて終わりますが
二人のその後を知りたくなります。
一回観たら忘れられない作品です。
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1月期の「みかづき」、4月期の「東京独身男子」
7月期の「凪のお暇」と続き
高橋一生という俳優を思う存分満喫出来た一年でした。
しかしここへきて一生さんの供給が途絶えてしまいました。
やはりドラマや映画や舞台のいずれかは観続けたい
というのがファン心理なのでございます。
ピエール瀧さんの問題がなければ
映画「ロマンスドール」は今頃すでに
公開されている頃だと思うのです。
でも待つ時間が長いほど感激度は増しますので我慢します。
「ロマンスドール」は来年1月24日公開です
で、ぽっかりと空いたこの時期に
過去作をゆっくりと鑑賞しました。
1958年、1981年、2000年という異なる3つの時代を
田中麗奈さんが演じる2000年制作の
インターネット映画「好き」を久しぶりに観ました。
1話が30分のオムニバス形式の作品で
2001年3月までに500万アクセスを突破したそうです。
その中の1958年の第1話「チャーシュー麺」という作品に
高橋一生さんが出演されています。
ラーメン屋の店員古賀直子に主演の田中麗奈さん
アウトローに生きる青年安藤秋生に高橋一生さん
ラーメン屋の主人に石丸謙二郎さんという役どころです。
福岡の久留米から集団就職で上京し
横浜の裏通りの鄙びたラーメン屋「みなと軒」で働く直子(田中麗奈)は
ある日チンピラに追われている安藤秋生(高橋一生)の
ただならぬ様子を見てかくまうことになります。
チンピラから無事逃れることが出来た秋生でしたが
所持していたピストルを
「みなと軒」のゴミ箱へ誤って置いてきてしまいます。
後日直子はゴミ箱の中からピストルを見つけ
自分のアパートへ持ち帰ります。
秋生に問われた直子はピストルを渡すと
秋生はお礼にとラムネを直子に渡し海辺に誘います。
話しをしているとお互い同郷である事がわかるのです。
この時秋生は19歳直子は17歳です。
二人は昭和30年代、集団就職という形態で
玄海という列車に乗り上京し就職したのです。
秋生は天井で回る3機の扇風機を凝視し
速度の違いに気がつくほどの
留まった精神状態で硬い座席の玄海に乗車していたのす。
15歳の少年達全てが希望に燃え上京していたとは思えません。
開口一番「さびしくないか?」と直子に聞いた
秋生の心の中、胸の内は充分推察できます。
当時大企業に採用された少年はいいのですが
零細企業へ就職した少年などは大変な思いをしたようです。
労働条件が考えられないほど悪く
ゆえに離職率は高かったようです。
右も左もわからない都会にいきなり放り出された
15歳の身の上に起きる栄光と挫折の状況は
あまりにも過酷で切ないです。
当時パーセンテージの高かった非行少年と言われる少年達は
故郷を離れ挫折し離職となり
行き場のない状況下での結果だったのだと思います。
秋生を見ているとそこまで思いがめぐります。
そして‥秋生は直子がゴミ箱から見つけ出したピストルで
組長を狙撃する計画を打ち明けるのです。
その後全てをやり終えた秋生は
閉店間近の「みなと軒」へやってきます。
自首する前に「みなと軒」のラーメンを食べたかったと
秋生は言います。
直子は主人の帰った後の調理場で
ラーメンを作ります。
そして‥‥チャーシューを5枚ラーメンの上へ置きます。
狙撃事件のニュースを見ていた店のお客が19歳の秋生が犯した罪は
5年だと言ったのを思い出したのです。
直子は一枚が一年5枚だから5年と決め
チャーシューを置いたのです。
この作品は昔観た東映のヤクザ映画を
どこか彷彿とさせるものがありました。
舞台は昭和33年の横浜の港近くで営む
裏通りというより路地裏の鄙びたラーメン屋です。
戦後13年位の横浜の事情はまだ不安定だったと思います。
集団就職で田舎から上京したものの
すっかり横道に逸れてしまった秋生ですが
懐かしい故郷の匂いを直子に求め
直子もまたきっかけはどうであれ
同郷の秋生の事が気がかりになるのです。
人を好きになるのに事情や状況は関係ありません。
危うそうな秋生と健気な直子。
二人の心に潜む寂しさという共通の思いが重なりあうことで
お互いの事が胸に宿っていったのでしょう。
田中麗奈さんは全てを表情で演じていたと言っても過言ではなく
まだお若い時期なのに改めてこの方の芝居の凄さを感じました。
高橋一生さんはアウトローで鉄砲玉のような危うさを持つ青年役ですが
土臭さと寂しさとそして怒りを含んだ何とも言えない様子を
やはりその表情で充分に感じる事ができました。
30分という短い作品なのですが
昭和30年代の空間がそこに広がり
少しかび臭く感じる空気が漂よっていて
年代的に郷愁にかられました。
この作品は余韻をもたせて終わりますが
二人のその後を知りたくなります。
一回観たら忘れられない作品です。
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