八千草薫

2019年11月09日

「ガス人間第1号」の録画漸く見ました


昨年の7月に日本映画専門チャンネルで放送されました
1960年(昭和35年)12月公開の東宝特撮
「ガス人間第1号」の録画を漸く観ることができました。



ネタバレ注意

出演者は三橋達也さん、八千草薫さん、土屋嘉男さん
佐田契子さん、左卜全さん他。
監督は本多猪四郎さん、円谷英二さんです。

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                日本映画ch ガス人間第1号 ©東宝

図書館に務める水野(土屋嘉男)は現在の生活から脱却すべく
生化学研究所から誘われるまま研究所へ出向き
そこで人体実験をされます。

とんでもないことに人体実験のミスでガス人間にされてしまうのです。
しかも自由自在にガスに変化したり
人間の姿に戻ったりする術を会得するに至るのです。

水野は藤千代(八千草薫)と言う日本舞踊の家元に肩入れをしていました。
彼女は才能があるにも関わらず舞踊界の因習にしばられ
立場的にも経済的にも苦しい思いを強いられ
発表会も開けぬ有様でした。

そんな藤千代を援助するため
自身のガス人間としての術を使い水野は銀行強盗を繰り返すのです。
しかもガスを使い殺人までも犯してしまいます。


水野からのお金を受け取るようになって
羽振りが良くなった藤千代に疑惑が生じ
藤千代の屋敷を警察が家宅捜査したところ
銀行が強奪にあった時の札が出てきたのです。
これをきっかけにして
藤千代は水野の素性を全て知る事となります。

しかし結局藤千代は水野からの援助で
家元として貫かねばならない念願の発表会を開くのです。

ここまでくると水野も藤千代も
狂気の沙汰としか言いようがありません。

しかし‥‥

発表会の成功を喜ぶ水野との抱擁の最中
水野の背中に回した藤千代の手にはライターが‥‥

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                日本映画ch ガス人間第1号 ©東宝
藤千代は家元としての矜持を携えつつ
自らの手で水野との不毛の関係に幕を引いたのです。

SFスリラー要素はもちろんありますが
主軸として流れているのは悲恋の物語だと感じました。

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               日本映画ch ガス人間第1号 ©東宝

それにしましても先日亡くなられた八千草薫さんの
域を超えた美しさには驚くばかりでした。




舞台の「ガス人間第1号」は
後藤ひろひと氏の脚本、演出で日比谷シアタークリエにて
2009年10月3日~10月31日に上演されました。

映画とは趣が異なりコメディ要素を取り入れながら
現代の設定に置き換えステージ化した作品です。

違法な人体実験によりガス人間にされた男と
ロックバンドの美しい女性ボーカルとの
結ばれぬ悲恋を基調として描かれています。

出演者はガス人間・橋本役に高橋一生さん
ロックバンドの女性ボーカル・藤田千代役に中村中さん
中村エミリさん、伊原剛志さん、山里亮太さん
水野久美さん、三谷昇さん他です。



高橋一生さんはもともとこの映画が好きだったそうです。
「なりふり構わない意識って、ある意味美しいですよね。
愛する人のために罪を犯すガス人間て、人間だったら
そこまでしたかな?と思う。ガスであることで人間よりも
人間らしくなってしまったのかもしれない」ベストステージ2009年発売号より
と、わかるようなわからないようなご感想を述べられております。


NHKで2010年に放送されました
「劇場への招待~ガス人間第1号」の再放送を
お願いしてから足掛け7年‥
もうすぐ8年になろうとしています。
よろしくお願いします。
一生さんのガス人間が見てみたい




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2019年10月28日

八千草薫さん‥ありがとうございました。

先程テレビでニュースを見ていましたら
八千草薫さんが24日に逝去されたと
アナウンサーの方がおっしゃるのを聞いてびっくりしました。

先日「岸辺のアルバム」の事をブログに書いたばかりですのに‥

2017年にテレビ朝日で放送されていた「やすらぎの郷」に
出演なさっていた八千草さんのお姿は拝見しておりました。
老母と昼食を摂りながら毎日視聴していました。

九条摂子という名の役で愛称は「姫」でした。

私の中の八千草薫さんは
1979年NHKの向田邦子シリーズ「阿修羅のごとく」と
1981年TBSで放送された「茜さんのお弁当」の
印象がとっても強く残っています。


そして忘れてはいけません八千草さんは
1960年に公開された「ガス人間第1号」に
ご出演なさっているのです。
後に高橋一生さんが舞台でガス人間の役を演じているのです。





そうだ1975年から1981年に日曜劇場で放送された
「うちのホンカン」も欠かさず観ていました
これは本当に大好きでした
連続ドラマになればいいなあと強く願っていました。


それと2016年フジテレビ系で放送の月9ドラマ
「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」にも
八千草さんは出演なさっていました。
坂元裕二さん脚本のこのドラマには
八千草さんとの絡みはありませんでしたが
佐引穣次役で高橋一生さんも出演していました。





88というお歳でしたがとっても美しく可愛い人でいらっしゃいました。

いろいろありましたが谷口千吉監督との愛を貫きました。

芯がしっかりして丁寧に生きていらした印象が強いです。

とっても残念です。

楽しませていただきありがとうございました。



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2019年10月14日

岸辺のアルバム‥思い出します‥

TBS系で1977年に放送された
「岸辺のアルバム」というドラマがあった事をご存知ですか?

原作・脚本は山田太一さん、プロデューサーは堀川敦厚さん
ドラマのキャストは八千草薫さん、杉浦直樹さん、田中喜子さん
国広富之さん、竹脇無我さん、風吹ジュンさん、新井康弘さん
村野武範さん、原知佐子さん、津川雅彦さん、山口いづみさん
沢田雅美さん他です。

東京郊外の多摩川沿いに居を構えて生活する四人家族の物語です。

ドラマ「岸辺のアルバム」の一家は
ご近所の方がチラ見した程度ですと一見どこにでもあるような
無難な感じの一家に見えたことでしょう。

しかしこの一家はとんでもない
問題をそれぞれが抱えていたのです。

父親の会社は倒産寸前で、母親は不倫
娘は恋人に捨てられた挙げ句恋人の友人からレイプされ妊娠
息子は家族の秘密を知ることで荒れてしまいます。

そして全ての事が明るみになり家族崩壊へ‥‥

そんな家族のゴタゴタの最中に「台風」「洪水」「非難勧告」
と言う非日常的な単語が突然飛び込んで来るのです。

台風によるダムの放水で生じる洪水で多摩川の堤防が決壊したのです。
「避難勧告」を言い渡され持ち出したものは
家族の「アルバム」でした。

父親がいわば儀礼的に撮ってきた綺麗事の家族写真‥

でもどうしても持ち出したかった「アルバム」は
やはりどんな家族であっても家族四人にしかわからない
家族の「アルバム」なんですよね‥

そして‥‥
このドラマの根底に位置する家族の象徴である家が
岸辺諸共洪水の多摩川に崩れ落ちプカリプカリと流れていくのです。

当時20代前半の私は此のドラマを観ていてしんどい思いをしました。
ほんわかしたホームドラマを見慣れていたせいか
不倫、レイプ、堕胎、倒産、女性斡旋という単語がちりばめられた
家族の物語というのはちょっとショックでした。

しかし今考えますとこの家族がそれぞれ抱えていた事情というのは
特別なことではないし、稀なことでもありません。

今だから言えるのかもしれません。

あの頃は家族のあり方というものに拘泥しすぎた結果
ドラマの家族に違和感を持ってしまったように思います。



このドラマは1974年の台風16号による多摩川の堤防決壊で
狛江市側の家屋19棟が多摩川に崩落流失という
実際に起きた出来事をモチーフにして描かれたものです。

亡くなった私の夫はこの1974年の多摩川の洪水を
当時帰宅途中の小田急線の車窓から見ていたというのです。
ってことは小田急線は洪水の最中運行していたのかしら‥?

今回の台風19号による
千曲川の堤防決壊で家屋が流失する映像に既視感を覚えた私は
すぐにそれが「岸辺のアルバム」の
冒頭の映像である事を確信しました。

https://www.youtube.com/watch?v=tfep0Ep3FpE
ドラマの冒頭で「岸辺のアルバム」の主題歌
ジャニス・イアンの「ウィル・ユー・ダンス」の曲とともに
多摩川の濁流に飲み込まれる家の映像が映し出されます。

ドラマの深刻さと主題歌とが絡み合い
なんとも衝撃的なのですが
逆に主題歌の持つ俯瞰の姿勢が冷静さの呼び水となり
ドラマを遠くから観ているような
なんとも不思議な心持ちにもなりました。

それにしましても千曲川の状況は言葉もありません。
今この日本の天候や地殻の変動等は
予測もつかないことばかりで明日は我が身です。

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