騎士団長殺し

2022年08月18日

「騎士団長殺し」の『私』を観たい‥

「僕のバイブルなんです」と以前から高橋一生さんが絶賛する
荒木飛呂彦「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズ‥



シリーズの中に登場するあのエキセントリックな漫画家岸辺露伴を
まさか一生さんが演じる事になろうとは想像もしていませんでした。
岸辺露伴役の出演が決まった時
一生さんは飛び跳ねる位嬉しかったそうです。

実写化するには作り手側に相応のセンスと作品への敬意が必要です。
漫画を現実の世界に上手く落とし込んだ上、腑に落ちなければ
漫画の持つ世界観を台無しにしかねず
実写自体、奇妙な存在になってしまいます。

2020年の12月、2021年の12月に放送された「岸辺露伴は動かない」は
あらゆる危惧を払拭し、鳥肌ものの出来映えとなりました。

そして、この21日に大千秋楽を迎える
作家上田岳弘さん初の戯曲「2020」の舞台公演は
白井晃さんの演出による、80分ノンストップで
一生さんが一人芝居に挑むというエネルギッシュで挑発的な舞台です。



上田岳弘さんの作品のファンであり
個人的にもお付き合いのある一生さんは
以前「あれは私が一人目のクロマニョン人だった頃」とか言って
上田さんの作品「私の恋人」の主人公を
やりたいとおっしゃっていました。

しかしこの度上田さんの戯曲「2020」では
しっかりとクロマニョン人になっていたではないですか!

次から次へと希望を叶えている一生さんですが
以前からずっとラブコールを送っているのが村上春樹さんです。

村上さんの作品の大ファンである一生さんは
以前から「騎士団長殺し」の『私』がやりたいです!
と憚らずおっしゃっています。

作品の中の『私』は36歳です。
一生さんは41歳ですが、まだまだ許容範囲です。



「騎士団長殺し」の一生さんの朗読は
12月28日から配信となりますが
やはり映画、TVドラマ、舞台‥で一生さんの『私』を観たいです。

「騎士団長殺し」を読み始めた最初のうちから『私』は僕でした‥
と、主人公の『私』そのものになった感覚があった事を
2019.3新潮社「波」に一生さんは綴られています。

仕事以外の時間は何を差し置いても
「騎士団長殺し」を読むことが最優先だと感じ
この作品は自分の人生に何か示唆的なものとして
現れたんじゃないかと思うようになったそうです。

作品を読む少し前、一生さんは自分で選んで失ったものが
かけがえのないものだとわかり
取り返しがつかないという、今までに覚えのない
喪失を経験したそうです。

『私』の設定に加え『私』が経験する喪失が
そのまま一生さんの喪失そのもののように感じたため
そんな感覚になったようです。

一生さんは仕事を始めてからずっと
同じところを叩き続けてきたそうです。

行き止まりに到着しても穿つ‥と一生さんは綴ります
行き止まりでも今は希望を感じるそうです。

いつものように同じところを叩き続け
立ちはだかる大きな岩に出会っても穿つ‥
背後に隠された横穴が見つかる確信があるそうです。

一生さんにとって「騎士団長殺し」は「確信」を抱かせてくれた
指南書のような存在なのかもしれません。
「騎士団長殺し」の『私』との出会いは
ある意味シンクロニシティとも言えるのでは‥

一生さんに『私』のお役が来ますように!





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wxy812 at 19:48|PermalinkComments(0)

2019年12月09日

高橋一生さん!39歳のお誕生日おめでとうございます!

本日12月9日は私の大好きな俳優高橋一生さんの誕生日です。
1980年生まれですから39歳になります。
一生さんはお若い頃から
特に女性を引きつける魅力をお持ちの方で
最近は頓に溢れんばかりの色気を感じてしまいます。



今年はテレビドラマは「みかづき」「東京独身男子」「凪のお暇」
映画は「九月の恋と出会うまで」「引っ越し大名」の出演。

宮本浩次さん提供の東京独身男子主題歌
オリジナルソング「君に会いたい」のCDデビュー。
(カバーアルバムの参加は昨年)

そして数々のバラエティー番組出演の中で
The Coversでの一生さんはアーティストとしての出演であり
感動ものでした。

活字媒体への露出度も高まり
特に「波」に記載された「騎士団長殺し」の文庫化記念への
寄稿文、「民王」の解説など
取材にたいする受け身のコメントばかりでなく
自らが読者へ提供する側のお仕事もこなしました。

だんだんと広がりをもって展開してくる一生さんのお仕事ですが
お持ちの才能を披露するチャンスに恵まれてよかったです。

幼い頃からの環境、そこで生活してきた過程も
生じた数々の心の葛藤も、取り巻く人間関係も
愛別離苦も、仕事の加速度の度合いも
高橋一生という人間の魅力と深みを増すための
丁度良い加減の事象であったと思います。

今後も今までと変わらない姿勢を保ちながら
一生さんはお仕事を続けていかれると思います

来年は映画「ロマンスドール」公開
舞台「天保十二年のシェイクスピア」が控えています。

お誕生日おめでとうございます





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wxy812 at 14:39|PermalinkComments(0)

2019年05月09日

騎士団長殺し!読了

ようやく「騎士団長殺し」読了です
こんなに長編の小説を読んだのは久しぶりです。
最近根気が無くなっているので良い刺激です。

興味深く面白く読む事が出来ました。

第1部の上下は夢中になり短期間で読みました。
第2部の上下はちょっと時間をかけてしまいましたが
「波」3月号文庫化記念特集の一生さんの寄稿文を
漸く理解出来るようになれて嬉しいです

「騎士団長殺し」を読んで思ったことは‥

DSCF7031


日常を今日も明日も変わらずに過ごせるという保証はどこにもなく
リズミカルに続いていた生活が
災害、病気、戦争などで一変することは誰にでもあります。

主人公の〈私〉のようにある日突然
妻のユズに別れを告げられるというごく私的な理由でも同様です。

〈私〉は不確かな自分という存在を嫌という程味わうこととなり
北海道や東北への傷心の旅の果て
友人の雨田政彦の父で有名な画家である
雨田具彦所有の山荘へ落ち着くことになります。

この山荘で〈私〉は具彦の描いた「騎士団長殺し」の絵をみつけます。
不思議な鈴の音を聞き、雑木林の穴を見つけ
騎士団長の姿をしたイデア(観念)と遭遇します。

免色渉というなんとも窺い知れない紳士とも知り合い
免色がもしかしたら自分の娘ではないかと懸念する
秋川まりえという少女とも出会うことになります。

〈私〉は山荘という環境の中で繰り返し不思議な経験をします。

ある日免色の娘かもしれない秋川まりえが失踪します。

心の旅のような事象の最終的な場面で
「あたしを殺して秋川まりえをみつけるのだ」という
「騎士団長」の支持を信じ〈私〉は実行します。

そして〈私〉は穴に入ります‥

結局穴から〈私〉を救い出したのは免色でした。

秋川まりえは無事自宅へ戻ることができましたが
実はまりえも「騎士団長」に遭遇していたのです。

一連の事象の後〈私〉は元の肖像画を描く仕事に復帰をし
妊娠中の妻ユズとよりを戻します。

〈私〉が終ったと思っていた関係が又再び始動したのです。
しかも今度は新しい命との遭遇です。

この生命の名は〈室〉‥ムロと名付けられました。

なんだか第3部の予感が‥どうでしょう

「騎士団長殺し」はとっても複雑なような気もしますし
沢山の含みが込められているようなのですが

「信じるという勇気」を持ったからこそ
失ってしまったと思われた環境を
再び手に入れる事ができたということではないのかしら‥‥

イデア、メタファー、二重メタファー、穴‥‥

クイズというかなぞなぞというか‥

語彙力の無い人間なので言わんとしている事が
すぐに理解できるというほどでは無いのです‥

でもサラッと読んでしまった私はもう一度正直に言いますが
とても興味深く面白く読めました。

人間はいろいろな事を抱えながら生きているわけで
時には自身の心を覗いてみて
思い切った改革も必要かもしれません。

また読み返してみるつもりです。
もっと深く探りたいようなそんな気持ちになりました。

もしこの小説が映画化となった暁には
〈私〉には高橋一生さんをよろしくお願いいたします。

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wxy812 at 10:52|PermalinkComments(0)