齊藤工

2022年10月07日

「その日、カレーライスができるまで」を観て

「その日、カレーライスができるまで」を観ました。
主演はリリー・フランキーさんでした。

企画プロデュースが齋藤工さんということで
「おーっ!」っと、反射的に「blank13」を連想し興味を持ちました。

52分の短編映画で、回想、電話での会話、ラジオの出演者以外は
リリー・フランキーさんのみの一人芝居でした。

リリー・フランキーという役者は
その場の時の流れと共に
築年数の長けたアパートに違和感なく溶け込んでいました。




その日彼は、土砂降りの中を食材の入ったレジ袋をさげ
ビショビショになってアパートへ帰り着きます。
なぜか募金箱も持っていたようでテーブルの上に置きます。

その後シャワーを浴びた様子の彼は
心許ない髪をドライヤーで乾かします。

パッとしない中年のおっさんがそこにいます。

床に何本も落ちているかもしれない彼の細い抜け毛
加齢臭が染み込んでいそうな万年床の布団へと
想像力が及びます。

その後、彼はなれた手付きで料理を作り始めます。
玉ねぎ、牛の塊肉を躊躇なく切り進め
あっと言う間にコトコト煮て、しばらくするとグツグツ煮えて‥
正しくカレーです。

調理の合間、彼は徐ろにラジオをつけ
メール募集のテーマを聞くと、ピンときた面構えとなり
淀みなく番組へメール入力し送信します。

そして、彼のメールは番組内でパーソナリティーにより読まれます。
「訳あって今は一人なのですが
妻の誕生日が3日後なので、3日目のカレーが好きな妻のために
今日は毎年恒例のカレーを作っています。
ちなみに三日目のカレーの味わいを出すためには
お餅を削って入れるのが㊙テクニックです。」という内容です。

そうか、それで彼は豪華なカレーを作っていたのかと想いました。

兎に角その日は、豪雨と物凄い雷で停電が頻繁に起こりました。

嵐の晩の暗闇を照らす懐中電灯の不安定な灯は
怪しげな雰囲気を齎すには充分であり
彼を不思議な世界へ誘います‥
息子の気配を感じたり、変な音を聞いたり‥

彼は息子を心臓病で亡くしていました。
積極的な行動を起こせぬまま息子は天に召されてしまい
後悔の念を抱えていました。

色々あって妻は家を出たようです

帰宅時、テーブルに置いた濡れた募金箱は
息子と同じ心臓病を患う子供を救うための彼独自の支援だったのです。


そして‥三日目、彼がラジオを聞いていると‥
「訳あって今は一人ですが今日は私の誕生日です。
誕生日にはいつもカレーを食べています。
そして㊙テクニックはカレーを作った鍋に白いごはんを入れ炒めると
美味しいカレーピラフになりますよ!
鍋もきれいになりますし‥」というバースディウーマンさんからの
メールが読まれたのです‥

番組のヘビーリスナーである彼の妻からのメールでした。

そして‥妻から電話がかかります!
もちろん妻は番組で読まれた彼のメールを聞いていました。

彼は妻を誘いますが、妻は快諾はしませんでした‥

それでも彼はいそいそと食卓のセッティングをします。
嵐の晩に作ってから3日目のカレーです‥

フッと彼は気づきます
アパートの窓を開けると、3日前とは打って変わり
陽が刺しているではないですか!

むさ苦しい下着のシャツ姿だった彼は
スッキリ、こざっぱりとした水色のシャツに着替えていました。

そして‥‥チャイムが鳴ります。




じっと観入ってしまった映画でした。



リリー・フランキーさんは、「あら!?ここにも!」と
作品の中に、何気なくそこに居るという感覚の役者さんです。

もちろん主役の時は「あら!?ここにも」という表現は違うかな?と
想うのですが、それに近い感覚なのが不思議なんです‥
いつもそこに違和感なく居るという存在感なんですよねぇ‥


「東京タワー~僕とオカンと時々オトン~」を
滂沱の涙を流しながら読んで15~6年経ったのかな‥

あの時のリリー・フランキーさんの職業は
主にイラストレーター、文筆家であって
どちらかと言いますと表舞台に立つ方ではないと思っていました。
しかし気が付けば俳優、司会などマルチにこなす現在の姿は
ごく自然で、ずーっと以前から
そうであったような気がしてしまいます。



そして!50分少しの映画の中で流れた歌声を聞いた時
「あれ!?」と想いました。なんだか懐かしいぞ!と感じ
もしかしたら!!と思ったら、案の定
劇中歌も主題歌も安部勇磨さんでした!!
やはり兄弟なので高橋一生さんにお声が似ています。
私は一生さん抜きにしても
優しくどこか懐かしい安部勇磨さんの歌声が大好きです。



味わいのある、いい映画でした。






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wxy812 at 19:25|PermalinkComments(0)

2019年05月23日

斎藤工さんの一生さんへのコメント


工さんが一生さんに抱いたものは‥

一生さんは「blank13」のオファーがあった時
「なんで僕なんだろう?」と不思議な気がしたそうです。

工さんはある日TVのドキュメンタリー番組で
一生さんが親しくされている市川猿之助さんに
インタビュ‐しているのを観て物腰の柔らかさや
多面性、奥行きを感じいろいろと抱えている人だなと
魅力を感じたそうです。

俳優は見た目や年齢でジャンル分けされる。
でも一生さんはそこにおらず
年代を越えた不思議な存在だと思ったそうです。

だからblank13の父親不在の時間の流れの中に自然といた‥

工さんはコウジが一生さんでなければ
このblank13にはなっていなかったとおっしゃいます。

一生さんは齊藤工監督の作品作りの姿勢に感銘したようで
咀嚼する時間をゆっくりもつ事により
役を浸透させる事が出来たそうです。
一生さんはご自分の役者人生をこのblank13以前
以後に分けて考えるほど指針になっているそうです。

お互いにリスペクトし合うお二人って素敵ですよね。

今や太郎ちゃんと玲也ちゃんだもんね
この二人っていずれ何か大きなお仕事をするような予感がします。


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wxy812 at 21:44|PermalinkComments(0)

2019年05月20日

東京独身男子!第5話!カオス!!


太郎ちゃんとかずなちゃんが
一線を越えようとしているそのタイミングで
図らずも結婚して海外へ旅立ったはずの元カノ舞衣さんが
太郎ちゃんのお家へ来ちゃった

で、結局舞衣ちゃんはかずなちゃんにすすめられ
太郎ちゃんの家に泊まることに‥
この時なぜかずなちゃんはすすめたのか?
舞衣ちゃんを純粋に気の毒に思ったのか‥
それとも太郎ちゃんを試したのか?

舞衣ちゃんの結婚式ではったりとはいえ思わず
かずなちゃんと付き合っていると宣言していた太郎ちゃんの家へ
いくらダンナと喧嘩したからって普通行きますか

結婚式だって元カレ太郎ちゃんを招待する舞衣ちゃんの気持ちも
図り兼ねますし招きに応じた太郎ちゃんもおバカだと思います。
舞衣ちゃんは何考えているのか

玲也ちゃんと和彦ちゃんも
透子ちゃんを巡りハチャハチャしてるし

今回はカオスの回でした毎回カオスなのかも‥

和彦ちゃんのお父上が「結婚してもしなくても
子供がいてもいなくても関係ない‥
結局人はひとり‥‥」と言っておりました。

人間てひとりひとり違う荒野を歩いているのですよね。
結婚するしない以前に人間はどう生き抜くかという
指針をしっかりと定める事が必要です。

お父上は最後に「自分の気持ちに嘘をつかず
踏ん張って生きてきたから胸を張れる」とおっしゃっていました。

お父上の指針はまさにこの言葉どおりなのでしょうね。

賑やかに話が進む「東京独身男子」ですが
この賑やかさがむしろそれぞれの男女の前に広がる荒野を
連想させる効果がありますよね。


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wxy812 at 16:28|PermalinkComments(0)